選書という仕事
さて、皆さんは図書館に入ってくる本がどうやって選ばれているかご存知でしょうか?
毎日のように出版される新しい本の中から図書館に入れる本を選んでいるのももちろん図書館司書です。この図書館に入れる本を選ぶ作業のことを選書といいます。
当然のことながら各図書館には本を購入するための予算が組まれていますが、世の中に流通している全ての本を購入する予算を持っている図書館は皆無といっていいでしょう。
日本全国の本を網羅している国立国会図書館の場合は出版社に納本の義務があるので国立国会図書館だけは例外ですが、公立図書館、学校図書館、専門図書館、全てにおいて選書は司書の頭を悩ませる仕事といえます。
選書は司書のスキルを試される仕事の一つで、それまでの経験やカウンターでの利用者との対話、その他書評やテレビなどからの情報を参考にしなくてはなりません。そのため、選書がきちんとできる司書になるまでには数年の経験を必要とします。
本の選びかた
図書館に入れるべき本はもちろん図書館司書の嗜好で選ばれているわけではありません。それまでの貸し出しデータ、予約の入っている件数、世間で話題になっていてなおかつ利用者が興味を持ちそうな情報、書評での本の評価、リクエストがかかっているジャンル等など、全てのデータを参考にし、限られた予算でなるべく多くの利用者がなるべく満足できるような本を選びます。
当然のことながら高価な本は購入できないということになったり、同じような内容の安価な本を探さねばならないということも少なくはありません。いかに普段から利用者の利用傾向や世の中の情報に精通し、出版情報にも通じているかがこの選書という仕事をこなせるかどうかのポイントになります。
図書館司書の選書一つで図書館の特徴や傾向が変わりかねない重要なお仕事でもあり、利用者が満足するかどうかも左右され、時には利用者からの苦情のもとになることもある仕事なだけに、選書をする際には図書館司書も選書のための学習や情報収集を怠ることはできません。
常に書店で新刊本をチェックするくらいの意気込みが必要かもしれません。
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