迷惑利用者への対応

 公共図書館には不特定多数の利用者がやってきます。学校であれば学校関係者、専門図書館であればその分野の利用者に利用が特定されるかもしれませんが、公共図書館はそうはいきません。利用者の中には調べものや勉強を目的としているのではない方もいらっしゃいます。

  私が司書をしていた時にはこんなことがありました。

  小さな子供が鼻血を出して泣きながらカウンターへやってきました。まだ自分の名前や年齢がやっと言えるくらいの小さな子供です。とにかく鼻血を止めるためにティッシュを渡し、色々と手を尽くしましたが鼻血が止まりません。

 これは保護者の方にお話して病院へ行くか自宅で安静にしてもらった方がいいだろうということになり、保護者の方が図書館の中にいるかを尋ねました。するとそのお子さんは図書館にはいないといいます。ではどこにいるのかわかりますか?と聞いてみるとパチンコに行っているというのです。

 どこのパチンコ店にいるのかまではわからず、そのお子さんは図書館のソファに横になりながら心細く保護者の方を待つことになってしまいました。もちろん、我々司書が交代でそばについていましたが、保護者の方が迎えにきたのは閉館直前のことで、それまでかなりの時間がたっていました。

 幸い、お子さんに大事はなく、帰宅する頃には鼻血も止まっていましたが、保護者の方には図書館の責任者から図書館は託児所ではないということ、一人で家へ帰れないようなお子さんを図書館に一人で置いて行ったりしないで頂きたいということをよくよく説明させて頂きました。

 このケースでは保護者の方が大変恐縮して話を聞いてくださいましたが、話を聞くことさえして頂けない場合もあります。

 それでも公共図書館は市民の皆さんのものですので、じっくりお話をしてわかって頂くまで説明や説得をするしかありません。どんなに利用者に非があっても簡単に入館拒否や貸し出拒否をするわけにはいかないのです。

 他の利用者の方に多大なる迷惑が及ぶような事件が起こらない限り、図書館司書は迷惑利用者に対してもじっくりと向き合うことが必要です。

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