こんなクレームが

 図書館司書は本と対峙するだけのお仕事ではありません。本と対するのではなく人と対するのが主な仕事といってもいいでしょう。そういう意味では図書館司書は接客業であるといってもいいかもしれません。

 他の接客業でもよくあるように、図書館司書も利用者からクレームを受けることは多々あります。司書が仕事をサボっていれば当然苦情がきますし、こちらが誠心誠意説明しているつもりでも利用者には伝わらずに苦情になる場合もあります。

  私が司書として仕事をしている間にも何度か苦情を受けたことがあります。

  たとえば、図書館に寄付したい本があるから受け取ってほしいとおっしゃる利用者の方に、こちらの図書館ではその本の中には登録できるようなものがないので、その場合、廃棄されてしまいます。

 「もったいないので、もしよろしければご自宅でお持ちになるか、もっと大きな図書館へお持ち込みになってはいかがでしょうか?」とお答えしました。すると後日その方から、どうして一度受け取らないのか?受け取らずに返すのは失礼ではないかと苦情の葉書が届きました。

 私としては重い本を持って何度もいったりきたりするよりはとの思いからお答えしましたが、利用者の方はたとえ返すにしても一度は受け取るのが筋だろうと感じられたためにおきた行き違いでした。

 それ以降、私は本の寄付を受け取る際には必ず一度受け取るか、もしくは登録するか廃棄するかをこちらに一任して頂けるものでしたら即刻受け取らせて頂きますのでお持ちくださいと断定するようにしました。対応を変えてからの苦情は一件もありませんでした

  物事は100人いれば100の感じ方があります。カウンターに座って接客を行う図書館司書は常にそのことを念頭において、今、目の前にいる利用者がどんなふうに感じ、どんなことをおっしゃっているのか、常に気遣う必要があります。

 もちろん、どんなに気遣ってもトラブルが起きることはあります。そんなトラブルが起きた時も冷静に対処しなくてはなりません。

 逆に考えれば苦情を言って頂いたところを改善していけばいいわけですから、そこで滅入ったり腹を立てたりせずに次のより良い対応へのステップだと思うことができればいいのではないかと思います。

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